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連載 The Renovation ~インプレオビフォーアフター~|外エリア

● 門扉

不動産屋は「いやー、この物件は加藤さんには向いてません」と勝手に決めつけて中を案内しようとはしなかった。
「いえ、見ます」と怖いものみたさに一人乗り込んで行った暑い夏の日の午後。

竣工ぎりぎりに決まった門扉。
周囲との調和を考えつつも、小さな間口だからこそ存在感を出したかった。

● 内門扉

盛夏に決めたはずの物件。その後、地盤調査や何やらで作業はなかなか進まず、年を越してしまった。
現場監督の土橋さんが正月飾りを飾ってくれていた。

ここからがインプレオ所有地。境目がはっきりわかるように、壁面の無垢材と同じテイストで内門扉を作ってもらう。
細かいこだわりの「IMPLEO」のロゴ。あまり目立たないのだけど、こんなところにもお金がかかっている・・・。

● アプローチ

隣家の壁がむき出しに迫っているのが何とも味気なく殺風景。
このグレーの空間を何とか変えて明るいアプローチにしたい、という強い気持ちが働く。

無垢材の木を立てて壁のように見せる、という建築士佐山さんの提案に乗る。ぎりぎりのところで、間隔を狭めて、という我儘を聞き入れてもらう。 この無垢材、全部切削から塗装までオーダーメイド。それだけにリッチな感じはするかも。

玄関周りとアプローチの仕上がりには心を砕いた。
わずかな間口から“明るく暖かな存在感”が放たれることをイメージして。

● ドア

この玄関周りを何とかしなければ、何も始まらないのだ、と直感的に感じていた。

中の造作は大分進み、建物の輪郭がようやく見え始めたころ、意匠周りの選定を迫られ始めた。
建築士から提示されたドアに「ノー」と言った時が、「自分のイメージを貫かなければ」とスイッチが入った瞬間だったかもしれない。
ドアのガラスは楕円形、という根拠のないイメージにこだわり、ネットで自分で探し出す。
スウェーデン製のドア。おまけにドアノブは金色でなければならない、と変なところに確信的にこだわった。

● 窓

何本も引き込まれた黒い電線。これだけでも興ざめ・・・。 やはり45年の古さがここら辺にはにじみ出ている。
外枠を変えないリフォームという制約の中でどうする・・・?

無垢材を使ったお化粧を得意とする佐山建築士の提案で、格子状の木材で古い構造や壁面を隠すことにする。
塗装の色をドアの色に合わせてもらい、和風と洋風、何とか統一感をキープする。

● 外壁

山手通りに抜ける本店栄通りから建物の一部が見える。マンションとは違ってサインをつけるのは自由だ。
都心で公道からこれだけ建物が見える物件は結構貴重かも。大分くたびれた感じの壁だが・・・。

レモン色にしたのは周りがグレーな感じだったから。 ウッドデッキの赤茶色がアクセントになっていると思う。
インプレオのロゴを横に配置するってどうよ?と自問自答しながらも、やはりこの感じが気に入ったので気にしないことに。
渋谷の真ん中に会社のサインボードを出せるっていいじゃん!

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