シャネルモバイルアート
弊社のプロジェクトのひとつに「Mediart KIDS」というアート関連の事業があります。
こどももおとなも楽しめるメディア・アート作品をご紹介するプロジェクトです。
そのプロジェクトを支えるべく、メディア・アート作品はもちろんのこと、
さまざまなジャンルのアート作品に関する情報を日々収集しております。
ここ東京はアートが日常的に展開している都市です。アートイベントや展覧会だけではなく、建築や広告、街中のディスプレイなどなど刺激的なものが毎日毎日次から次へとあふれ出ています。このブログでも、そんな身近にあるアート事象をちょこちょことご紹介していけたらと思っています。
■第1弾シャネル・モバイルアート展
まず第1弾はどどーんと大きく「シャネル・モバイルアート」展のご紹介です。
そう、あの仏系高級消費財ブランドの「CHANEL」(シャネル)です。
この展覧会、表参道や銀座のゴージャラスな旗艦店内ではなく、
かといって美術館などの既存の「箱」でもなく、
国立代々木競技場オリンピックプラザ内特設会場に
どどーんと専用パビリオンを期間限定で出現させてしまいました。
最新号のBRUTUS CASAなどでも特集記事が組まれているので
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、
これから行こうかな、と悩んでいる方へのひとおしになればと
作品そのものの解説というより展覧会に行くまで、
そして作品の前に立つまでを細かく紹介してみようと思います。
7月4日までの開催ですので、ぜひ。
私は会期スタートからほぼ1週間が経った6月6日に行ってまいりました。
■会場とチケットについて
インプレオの富ケ谷オフィスから歩いて8分。
井の頭通りを原宿駅方向にてくてくまっすぐ歩くだけ。ご近所です。
この「シャネル・モバイルアート」展は入場料無料の太っ腹展覧会です。
ですが、事前に予約が必要になります。
そして、その予約はチケットぴあを使って行わなくてはいけないため
手数料に105?600円かかってしまいます。ちょっとびっくりですね。
詳しくはチケットぴあのページを参照してください。
#手数料を払うのはなんだか...という方はダイレクトに会場へ行き、
#会場内にあるブースで予約をするか、もしくは当日キャンセル待ちをすれば
#手数料なしの完全無料にて観覧することができるかもしれません。
#チャレンジしてみてください。
事前予約がなぜに必要なのかというと、入場するのに時間指定があるんです。
11時の回、11時20分の回、11時40分の回、、、といった具合に。
会場に入場できる人数もコントロールされています。
そして全作品を観るために一人きっかり40分かけます。
鑑賞時間が決められている展覧会なのです。
■いざ、会場へ
私はぴあ経由で事前にチケットを入手しました。
井の頭通りの坂道をえっこらえっこら登ること8分。
(JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅からだと5分かかりません)
見えてきました見えてきました。
右手にNHK、左手後ろには代々木第一体育館その真ん中に巨大カタツムリが。
その姿はまるで宇宙船。
「CHANEL CONTEMPORARY ART CONTAINER BY ZAHA HADID」です。
有名建築家ザハ・ハディド氏によるこのパビリオンは展覧会とともに世界を巡回するために
300ものパーツに分解することができるようになっているそうです。
こんなに大きいのに300パーツだけでできてしまうっていうのも不思議です。
今年2月の香港でスタートし、5月31日から7月4日まではここ日本。
その後はアジア、アメリカ、ヨーロッパと2年かけて世界中を巡回予定。
CHANELは今期のファッションショーはキャンセルしこのモバイルアートに総力をつぎ込んだとか。
すごい情熱です。
■会場入り
会場には11時10分に到着しました。
まず入り口で予約回を聞かれます。
11時20分の回の私は、すぐに敷地内に案内され
左手奥のスツールがある待合所に通されます。
(あまり早く行っても敷地外で待たされることになりますので会場には10分前着くらいが理想かと思われます。)
待合所では諸注意を聞かされ(写真撮影NG等のお決まりルールですね)、
10人ほどのグループになったところで会場の宇宙船(コンテナ)へ移動です。
■さぁ、入船です。
待合所から二列縦隊行進で30歩くらい歩きます。
建物入り口前で一旦停止。
入り口でチケットをもぎられ、ひとりひとり順番にパビリオン内に案内されます。
パビリオに入ると、まずベンチに座らされMP3プレーヤーを手渡されます。
(CREATIVE製です。もちろんシャネルのロゴは入っていません)
このプレーヤーから流れる音声ナビゲーションに従って会場内を歩くことになります。
言語は、英語、日本語、フランス語、中国語、韓国語...から選べます。
もちろん私は日本語を選びました。
MP3の操作はスタッフの方がしてくれます。
「『お立ちください』というナレーションが聞こえたら移動してくださいね」という一言を笑顔で残し、
MP3のスタートボタンを押してスタッフの方はいなくなります。
ベンチに座り、ヘッドホンから聞こえる老婆(?)の声に集中します。
ヘッドフォンからの女性の声と自分だけの40分の旅がスタートします。
先にスタートボタンを押された人が一人、また一人とばらばらと会場内に入っていきます。
次は自分か、と、ちょっとドキドキの待ち時間です。
ヘッドフォンからようやっと聞こえてました「ではいきましょう」と。
もしかして、この声はココ・シャネル?
いえいえ、大女優ジャンヌ・モローですよ。
仏語、英語だけではなく、ほんとかうそか日本語も彼女が担当しているとか。
日本語の発音、かなり上手です。
■ようやっと作品との対面
会場内では終始音声ナビでコントロールされるため、
自分と同じタイミングで同じ作品を鑑賞している人はいません。
追い越したり、追い越されることもありません。
空間や個々の作品をゆったりとめいっぱい体感することができます。
ただし、孤独感を味わうことにもなります。
一緒に来た友達とも、会場入り口でMP3に仲を引き裂かれ
作品の前で互いに感想を言い合うタイミングもあたえられません。
ちょっとさびしい。
それでも、20人のアーティストによる作品を
「人垣の隙間から覗き見」することなくゆっくりと鑑賞できるのはうれしい限りです。
■展示作品について
作品を個々に説明していきたいところですが、
これから見る方もいらっしゃると思いますので、ここでは割愛いたします。
展示室内では撮影NGだったため写真なしで解説するのも難しいですし(^^;
出展作家の名前だけご紹介しておきましょう。
展示空間順です(私の記憶が正しければ、ですが)。
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マイケル・リン (台湾)
ロリス・チェッキーニ (イタリア)
束芋 (日本)
ダニエル・ビュレン (フランス)
レアンドロ・エルリッヒ (アルゼンチン)
楊福東(ヤン フートン)(中国)
ブルー・ノージズ (ロシア)
荒木経惟 (日本)
スボード グプタ (インド)
デヴィッド・レヴィンソール (アメリカ合衆国)
ヴィム・デルヴォワイエ (ベルギー)
ファブリス・イベール (フランス)
シルヴィ・フルーリ (スイス)
イ・ブル (韓国)
Y. Z. カミ (イラン)
ソフィ・カル (フランス)
ピエール&ジル (フランス)
スティーブン・ショア (アメリカ合衆国)
オノ・ヨーコ(日本)
田尾創樹 (日本) ※彼の作品のみ表参道のショップにあります
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作品の写真が見れるサイトをご紹介しておきます。
行く予定があるかたはもちろんこのサイトは見ないでおいたほうがいいですよ。
Mode Press:シャネルの「モバイルアート」が東京に上陸、7月4日まで」
■お土産
帰り際にはB4版の大きな情報誌「TOKYO CHANEL MOBILE ART ISSUE」がもらえます。
製本されていないのでページがバラバラになってしまいました。
盛りだくさんの情報と、そして今回の展示作品のカラー写真も掲載されています。
展覧会名は「モバイルアート」とついていますが、
作品のほとんどがビデオインスタレーション作品ですので
モバイルアートという言葉がどこにかかっているのかは
観る側で考える必要があるかと思います。
このISSUEのどこかにヒントが隠されているかもしれません。
読み込まなくては。
右下に写っているポストカードは、最後の展示室に出展していたソフィ・カルの作品です。
唯一この特設会場ではなく表参道店に展示されることになった
田尾創樹さんの作品につながるキーです。
とっても長くなってしまいました。
最後まで読んでくださって感謝します。
次回以降はもうすこしコンパクトにまとめるよう努力したいと思います。
----展覧会情報----
「シャネル・モバイルアート」展
会場:
国立代々木競技場 オリンピックプラザ特設会場
東京都渋谷区神南2-1-1
アクセス:
JR原宿駅、東京メトロ明治神宮前駅より徒歩5分。
インプレオからは徒歩8分。
会期:
2008年5月31日?7月4日まで
11:00?18:40(金・土は21:20まで、日は18:20まで)
入場料:無料(要事前予約)
オフィシャルサイト:
https://www.chanel-mobileart.com/