日々是々記作曲家、武智由香さんのこと

武智由香さんという、新進気鋭の作曲家の方から、彼女を追ったドキュメンタリー番組の英語字幕版作成の依頼を受けた。
たまたまM社員が知り合いだったのだ。

かねてより、"何か日本の文化的芸術的なもの"を海外へ発信するために役立ちたい、という思いがあったことから、少ない予算と短い納期で厳しい状況 ではあったけれど、お引き受けすることにした。
しかし、本音を言うと、その番組の映像を見たときに、そこに映る彼女自身の聡明な美しいたたずまいと、知的な声に魅了されたから、損得抜きにお役に立ちた い、と思った、のかもしれない。

後日、彼女の委嘱新作の初演コンサートに招かれた。
会社帰り、M社員とふたり横浜みなとみらい小ホールに駆けつける。久しぶりに、"精神の芸術的高揚"を胸に抱き、帰路についた平日の夜だった。
(というか、"精神の芸術的高揚"状態のまま、M社員に「今年の忘年会は"クール・インプレオ(Choeur Impleo)をやりたい!」と宣言したら、どうも呆れられたようだった・・・「また、影響されてしまいましたか ・・・トホホ・・・せめてハンドベルにしておきましょう・・・」と)

映像の翻訳から字幕作成、吹き替え、編集まで行う英語版制作の業務とWEB制作が最近では、弊社業務の柱になりつつある。どちらのノウハウも、日本 の文化的芸術的コンテンツの海外発信には非常に役立つものである。
その辺のあたりに、自分たちの社会的ミッションを感じつつ、仕事を展開していければなあと思う。

武智由香さん

東京藝大を首席で卒業後、同大学院を終了。
98年芥川賞作曲賞ノミネート、99年村松賞受賞。第一回サントリー音楽賞の佐治敬三賞受賞。2007年第14回日本現代芸術奨励賞受賞。英国王立音楽院 の博士課程PhD作曲家・リサーチフェローとして招聘され、文化庁・芸術家在外派遣研修員として主にロンドンを拠点とし現在に至る。

クール百音(Choeur Mone)第四回定期演奏会

2008年6月18日(水)
横浜みなとみらい小ホールにて
委嘱新作初演ほか
女声合唱のための「遠い世界に」
(詩 児島百代  作曲 武智由香)