日々是々記ため息・・・。

母は愚痴を言わない忍耐強い人だった。
父はあれこれ煩く言う人ではなかったけど、女の子はみっともないから暗い顔をするな、という事だけはいつも言っていた気がする。

なので、私自身も自然に愚痴っぽくは育たず、むしろ、愚痴や文句を言うと言った先からその言葉が自分の身体に染込んでしまいそうで、口にすることが はばかれたし、明るい顔をしていれば悪いことはそう起こらないのではないかと、思うようになっていた。

父や母の教えは知らず知らずに、自分自身に大きな影響を与えていたのだなと、最近つくづく思っていた。しかし、先日不覚にも、大きな深いため息をつ いてしまった。

「ママ、大丈夫?インプレオ大変?」
そのため息の様を見ていてた、中二の息子が聞いてきた。
彼はこのごろ母親がなにやら細々とやっている会社経営に興味津々になってきて、時折、「インプレオ」という文字をネットで検索したりしているらしい。

「う。ううん。ちょっと疲れただけ」と答えると、
「ママからインプレオをとったら、ただのボケボケおばさんだよ。がんばんな」
と力強く励まされてしまった。確かに、インプレオがなかったら、私はいまだ夢見るボケボケおばさんだったかもしれない。

「そ、そだね。がんばる」

小さなジェントルマンの母親に対する認識は矯正したい気もするが、おお、ここに心強い味方がいたじゃないかと、少し心が軽くなった出来事だった。