ブラジルDUBBING COMPANIES レポート2012|D~F社
●D社(リオデジャネイロ)
60代の男性二人がパートナー経営。リオのダウンタウンの歴史を感じさせる重厚なオフィスビルの中にありました。リオのダビング産業の繁栄と衰退を生き抜いた会社なのでしょう。もともと声優だったという経営者の
パートナーは、音楽制作に長く携わってきており、別のビルに別のオフィスを持ち、そこでは音声効果などを
中心に、さまざまな音作りができるスタジオを持っていました。音楽制作も含め、音に関することは全てできる体制がありました。
●E社(サンパウロ)
閑静な住宅街の一軒家。自身も声優だという60代の女性が経営者でその息子がまた声優であり、
パートナー経営者。女性の夫も声優という声優一家。息子は日本の大人気アニメ「聖闘士星矢」の星矢役を
演じているという。それは他の会社のスタジオで収録しているとのこと。スリーの声優でもあることから、
様々なスタジオに出向いて仕事をしているらしい。女性の経営者は俳優組合の歴史も長く見ているからか、
声優の著作保護についてはかなり厳しいコメントをしていたのですが、実際、息子に「聖闘士星矢の契約は配給会社やらときちんとしているのか」と聞くと「いや何も」と答えたのには笑いました。「建前と本音」にどう対応するかは、ブラジルでも同じだという印象を得ました。またここでは、声優養成スクールも開講しており、80人くらいの生徒が現在受講しているとのこと。声優予備軍を抱えているのは大きな強みかもしれません。
●F社(サンパウロ)
もともとサントスにヘッドオフィスがあり、サンパウロにオフィスを開設中というところにお邪魔したので、
スタジオなども工事中。ラジオディレクターだった経営者が有能なミキサーと一緒に独立した形で始まったらしい。通訳をしてくれたのは、完璧な英語を話す翻訳チェック担当の女性で、彼女もまたラジオ局で働いていて
一緒に起業に参加したとのこと。経営者の奥さんも経理担当で設立当初から労苦を共にしてきたのだなあ、
とチーム力を感じさせるいい会社でした。ミキサー担当の男性の腕は確かとのことで、彼のミキシングが
ディスカバリーなどのスタンダートを作ってきたとのことでした。
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