ブラジルDUBBING COMPANIES レポート2012|G~I社
●G社(サンパウロ)
中心から少し離れたところにある住宅街の一角に、1000平米の敷地に立つ3階建て一軒家。広大な敷地に歴史を感じさせる重厚な建物。一つ一つのスタジオがとても広い。映画の歴史、テレビの歴史を物語るような様々な陳列物。60代後半と思しき女性経営者に背景を聞くと、1958年創立のこの会社は映画制作会社として始まり
いち早くダビング業務にも乗り出したこと。しかし、1974年に経営困難に陥り、その時弁護士として雇われていたのが彼女で、結局そのままこの会社を買い取ることになったこと。巨大な建物の維持管理だけでも大変だろうと思うのですが、デジタル化の波にもいち早く対応し、マイアミに同様な規模のスタジオを持っているとのこと。その娘は映画プロデューサーもしており、インドで映画製作中とのこと。たくましき敏腕母娘ストーリーに引きこまれそうになりましたが、経営者が弁護士というのは、著作権問題においては、頼りになるのではという印象を持ちました。
●H社(リオデジャネイロ)
経営者がリオの俳優組合の理事をしており、自身が声優としての長いキャリアを持っています。
ゆえに声優のクオリティ、キャスティングのテクニックには長けているかもしれません。
●I社(リオデジャネイロ)
TV番組製作会社としてスタートしましたが、1996年ごろから字幕制作に焦点を移し、字幕制作業界のリーダー的存在になりました。2009年からダビングセクションを開始しており、従業員40名を擁する業界的には比較的規模の大きな会社です。
この会社は独自の業務管理・監視統合システムを構築しており、スタッフやクライアントが業務の進捗状況をインターネットを通じてリモートで確認できるようにしています。比較的規模が大きくなり、分業体制が敷かれてくると、このようなシステムは有効に機能するように思います。ダビングセクションの歴史は浅いですが、字幕制作で培ったノウハウが生かされているようです。