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連載 第13回 K子ちゃんとわたし|TOPの孤独

K子ちゃんは、感情的、感傷的になることが少ない人だけれど、
TOPとしての孤独感は会社が成長すればするほど、感じていたような気がする。

「あの頃が実は一番楽しかったのよね」
と創業当時を懐かしがることも多かった。
私の会社はまだまだ会社ごっこの域を脱していなかったけど、
それはそれで楽しかったし、周囲からは楽しそうでいいね、
と言われていたので、その姿を自分たちの創業当時に
だぶらせて見たこともあったのかもしれない。

10年一区切りとはよく言う。
彼女は丁度10年目の2007年12月末、トップの座を降り、会社を辞めた。

その1年前、滅多に泣かない彼女が泣きながら言った。
「10年頑張ったらいいよね。辞めてもいいよね」と。
珍しく子どものように泣きじゃくる彼女の姿に
彼女が一人で抱えてきたものの大きさを改めて知った。
「いい、いい。辞めてもいいよ。十分がんばった。もう十分やったからいい。
人の3倍働いたからもう十分、30年分働いたよ」
この10年、彼女が人の3倍分働いたというのは本当だと思う。

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