連載 第4回 K子ちゃんとわたし|女神K子が再登場
「あれはK子ちゃんではないか!」当然ながら後を追う。
女子トイレで順番待ちをしていたK子ちゃんめがけて、
「K子ちゃん!」と満面の笑顔で向かう。
相変わらず、あんまり愛想のよくない表情のK子ちゃんも、
満面の笑顔の私につられて微笑む。
「ひ、ひさしぶり」
そう、そうなのです。
あの時、あなたに会わなければ、私はいったいどうなっていたのでしょう。
昼食代もなく、ひもじい思いで午後の試験を受けていたら、受かっていなかったかもしれません。
帰りの電車賃の心配もなくなり、空腹も満たされたから、 きっとそれまで起こった様々なハプニングもすっかり忘れて、
試験に臨むことが出来たのでしょう・・・。
いつ、どういう形で彼女にお金を返したのか、実は私は記憶がない。
しかし、彼女は何でもなかったように「返してもらったわよ」と言う。
だから、きっと返したのだ・・・と思う・・・。
後に、彼女は私の披露宴のスピーチでこの時のことを暴露した。
「特段親しかった覚えはなかったのですが、満面の笑みであんまりにもうれしそうに近づいてくるので、私たちこんなに仲良かったけ?と内心思いながらも、まあ、いっか。という心境でした」と。
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