連載 第1回 K子ちゃんとわたし | 高二での出会い
私とK子ちゃんが初めて会ったのは高校二年の時である。 二人とも、ある留学団体が募集する高校生交換留学プログラムに応募し、 東京の日本青年会館で行われた数日間の宿泊研修に参加していたのだ。 全国各地から応募してきた同年代の男女百数十名が一堂に会していた。 私とK子ちゃんはたまたま同じ部屋になっていた。 同じ部屋と言っても、女子が十人近くの大部屋である。 見知った人もいなかったけど、特に孤独を感じることもなく、 私は淡々と過ごしていたが、同様に、特に誰とつるむでもなく、 はぐれるわけでもなく淡々と一人でも平気な人がいた。 それがK子ちゃんだった。 特段陽気そうでもなく、また愛想が良いわけでもなく・・・。 結局私たちは、親しく会話を交わすこともなく、数日間の研修は過ぎた。 翌年、高三になった私たちは8月の暑い日、 それぞれのホストファミリーが待つアメリカの大地に向けて旅立った。 私はワシントン州にK子ちゃんはオハイオ州にと。 アメリカ滞在中に連絡を取り合った記憶はないし、 おそらく帰国後にも偶然会うこともなかったし、 あえて連絡をとるような仲にもなってなかったと思う。
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