連載 第7回 K子ちゃんとわたし|就職、挑む男社会へ
今思うと当時はバブルの終末期だったけど、終わりも見えていなかったから、 私たちは結構お気楽にイケイケで生きていたような気がする。
同級生の多くは、いわゆる一流企業といわれるところから内定を得ていた。 K子ちゃんも私も然りであった。 丁度、男女雇用機会均等が施行された翌年の入社であり、 二人とも男社会の中に放り込まれた総合職のような立場だった。 私も頑張ったつもりだったが、彼女はおそらくもっと頑張っていたのだろう。 重厚長大産業のど真ん中、おじさんばかりのいるおっきなプロジェクトに 紅一点取り組んでいたらしい。
頑張れなくなった私が結婚を理由に、寿退社して名古屋に引っ越してからも、 彼女は時々、泊まりに来てくれた。来た早々、人の家のソファで横になって寝てしまうのには流石に閉口したが、 まあ、そういう素行にはかなり慣れてきていた。 仕事を終えて急いで新幹線に飛び乗って、はるばる来てくれてたんだもんね。
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